雑記にあった分を追記・修正などして掲載しております。
文章のフォーマットも弄った感じで。




錬電術師 -HexaQuarker-
第一章 gate_way 体験版

製作・配布不機嫌亭ゲーム班
ジャンル18禁現代魔術ビジュアルノベル
システム吉里吉里2/KAG



●プレイ雑感
近・現代魔術のノベルゲーっていうのはここ数年で割と台頭してきたジャンルでもあり、
それ故に同系ジャンルの作品というのは世にかなりの数があると思うわけですが、
その中でもこれはなんとなく直感的にビビビときたのですよ。 端的に言えば面白そう。
体験版は18禁版と全年齢版があったんですが、今回は18禁版をプレイ。
……え、何故全年齢版じゃないのかって?
そりゃあなた、原画担当が狩野蒼穹さんですよ?
姉弟、もしくは兄妹のカップリングに定評のある漫画家さんですよ?
だったら当然エロのある方に行くでしょう、うん、間違いない(何をそんなに胸張ってるんですか)

舞台は現代日本、主人公は魔術師の家系でありながらただ一人、
魔術を発現するための「門」を持たない少年、紺来貴一(こんらい・きいち)
彼と、他の魔術系統とはちょっと毛色の違う魔術を軸にした話、なのかな?
この体験版の第一章では、まだ貴一は教えを請うべき「先生」に出会っていない状態な訳で、
(公式のスクリーンショットには名前の出ていた「始めの魔女」アラディアって言うのがそれ)
知識はあれど魔術が行使できないが故のコンプレックスみたいなものを抱え込む少年です。
家族は全部で4人+α。
紺来家現当主にして死霊術師(ネクロマンサー)の長姉、紺来かや。
次女であり、当代唯一の「管遣い」、紺来くろえ。
貴一の双子の姉で、駆け出し万象術師(ソーサラー)、紺来りんね。
末の妹で、未制御の能力を持つ予見術師(ディビナー)見習い、紺来まな。
それにあとは使い魔だったり管だったりとかな存在が諸々と。

舞台となる第一章の体験版部分は、末妹・まなの「予見」がメイン。
妹の「見てしまった未来の可能性」を回避するためのお話、といえばいいのか。
予見術の解釈が結構面白くていい感じですね。
決められた未来を見るのではなく、未来の可能性を知覚する事でその可能性を引き寄せる。
これを軸に、「最悪の未来」を回避するために見た「もう一つのありえない未来」を
実現させる鍵となる可能性「貴一が魔術師になる方法」を模索する、というのが大体の流れ。
この話のメインになるのは貴一とまな、それとかや姉さん。
残念ながらくろえ姉とりんねちゃんは別ミッションでゴタゴタに巻き込まれている模様。
一応出演はしていますが完全に別軸であり、通信越しなので立ち絵等もありません。

割と選択肢を間違えるとバッドエンドなゲームらしく、この体験版でも一つありました。
問答無用ですぱっとね。 台所は危険地帯やで……


●テキスト
物語は基本的に貴一の一人称で語られます。
こういう話だと、プレイヤーが気付いても主人公が気付かないっていうのは
サスペンス方面では緊張度が高まり、謎解きでは若干苛々する要因になります。
近作の主人公である貴一は、元々理論や知識だけなら魔術師としても問題ないレベルらしく、
結構頭の回転の回る子であり、会話と情報を軸に物事を整理して
推理を引き出していくところがなんか好きだったり。
魔術用語も頻出して、そっち方面の知識が無いとまず意味が分からない。
だがまぁ、これを手に取る人はそっち方面の造詣がある程度ある人だろうから、
そういう意味では心配ないといえるかもしれない。
私は用語解説とか設定説明とか大好きな人なのでどんと来いですが。
意思をブレさせないようにする合言葉「ネコのルール」っていうのがなんか好き。
こういう、ゲーム独特の言い回しやルールが存在してるのは楽しい。


●ビジュアル面
雑感でも出てますが、絵方面は現在成年コミック誌で活躍中の狩野蒼穹氏。
姉と弟、兄と妹等兄弟姉妹のカップリングに定評のあるお方です。

主人公の貴一は、普段割とショタ属性持ちの気弱っぽい印象のある少年なんだけど、
一回スイッチが入ると凄い勢いで思考が走るって言うのが覚醒っぽくてナイス。
あ、あと体験版に少しだけ入っていたえちぃシーンのサンプルも見ましたが、
そっち関連に関しては凄い勢いでヘタレてたのが印象的。
総受けオーラがにじみ出ております。

キャラとしては問答無用でかや姉さんがお気に入り。
やばいですよこの姉さん可愛すぎですよ、たまらぬ。
……つーか私は年上で外見が子供ってキャラにどれだけ弱いんだ。
最近のストライクは殆どこの手のキャラのような気がしますよ、私。
ああ、あと目が赤かったりするのも結構ツボっぽいですよ?
何気にこっそり黒ストキャラであるというのも惹かれている一因かしら。
(古くからの私を知る人にはいまさら説明する事も無いが、無類の黒ストスキー)
あー……書き出してて思ったけど、属性狙い撃ち完璧じゃね?
私が落ちない訳がない。


●その他、細かいアレコレ。
このゲームをプレイしていて、たびたび引っかかる……というか「お?」と思う事がありました
ビジュアルノベルは概ねの場合において、モノローグ等全て主人公の一人称で語られます。
それ故に主人公には立ち絵が存在せず、ゲーム画面も主人公視点からになるのが一般的です。
ごくまれに、物語の視点が他者に移った場合にのみ表示されるのが基本的な演出であり、
その「顔が見えない」という事から、ミスリードを誘うギミックにも利用される演出方法ですね。
このゲーム、主人公の貴一は殆どの場合において画面内に登場しています。 つまり立ち絵が存在する。
地の文やモノローグはあくまで貴一の一人称ですが、それを思う彼の姿は第三者的位置から見る事が出来る。
これ、結構面白いなぁと思いました。 今までになかった新鮮さ。
というか、この「モノローグを語る主人公を第三者視点から見る」という手法や、
背景が時々ノイズ交じりだったりモノトーンだったりするのも理由があるのかなーと考えてしまったり。
貴一のモノローグ(背景が消える)に入ると、バックは砂嵐なんですよね。


●総括
話自体はかなりいい感じのところで引きになってて、続きが物凄く気になってたり。
本番の部分は見せない、まことに見せ方を心得た体験版でございました。
結構いろんな薀蓄が楽しめて、個人的には大当たりですねこれ。
まあいろんな用語がぼろぼろ出てくる出てくる。
どうやら核になるっぽいヘキサクォーク……六芒素粒子についての説明もwktk。
こういうのの解説とか見るの大好きなんで。
今後、第二章・第三章とパワーアップしていく予定らしいので、
そっちの方も楽しみにしたいと思います。

かや姉さんを嫁にしたい人の数→+1




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