錬電術師 -HexaQuarker-
第一章 gate_way

製作・配布不機嫌亭ゲーム班
ジャンル18禁現代魔術ビジュアルノベル
システム吉里吉里2/KAG
修正ファイルあり(最新Verは1.02)



●前置きとしてのあれこれ
製品版のレビューです。 ちなみにリアルタイムで本編進行しながら書いた内容の再構成です。
なので、ところどころ変だったり、明らかに後から追加してる部分があったりとかしますが、
まぁその辺は何だ、笑って流してください。

体験版からレビューを見てもらえれば、序盤の部分は大体把握できるので、
そこまでの感想は割愛します(なんという手抜き←手抜きじゃないよ!)
まだ興味が無い、ゲーム自体を知らない、と言う人は是非とも
体験版レビューから見る、もしくは公式で体験版をDLしてみることをお勧めします。

そしてここより先は、基本的に「プレイした人」向けの話になりますので。
極力ネタバレ等を避けようとはしましたが、どうあっても無理なので。
それゆえに、開き直って一切のネタバレ隠しをしないことにしました。


●紺来家の人々について
まずはキャラについて色々と。
今回メインの人だけについて。
くろえ姉とりんねちゃん、カナヘさん達は2章以降で。
敵側については割愛(ぇ

・紺来貴一(こんらい・きいち)
貴一君です。 愛すべき主人公です。
若干……というか、普段は結構へタレ要素の混ざる、でも将来有望株。
物事の飲み込みの早さ、と言うか理解の早さが心地よい。
やるべき事を決めた際の集中力と、いざって時の行動力は見事。
元々コンプレックスを抱えて生きていた為に、ネガティブ感情への理解も早くて、
それを乗り越えたが故に、同種の感情へのケアもきちんとできると言うのがポイント。
まなが部屋に閉じこもってるときの会話はまさにそれで、
自分の境遇に引け目があるが故のネガティブな経験があったからこそ、
ああいう言葉のかけ方が出来るんだなぁ、とちょっと感動。
なるほど、凄い巧いな、と素直に思ってしまったとか何とか。
それだけに、錬電術を学んでく最中の、彼の「理解する」こと、
並びに「魔術を行使する事」への喜びって言うのは
なんというかこう、渇望していたものを与えられた喜びと言うか、
ある意味物凄い飢餓感を持った感情の発露のような感じがしますね。

・紺来まな(こんらい・まな)
貴一君の妹で、紺来家の末っ子。
未来を予見する能力、「予見術師(ディビナー)」の見習い。
未熟な為未制御な予見術によって、今回の話の中核はなされています。
序盤では割と明るく悪戯っぽい娘なんですが、中盤以降はどうにもしおらしく。
まあ、あんな未来を予見しちゃってるんだから無理も無いといえば無理も無い。
予見した未来への恐怖から一時期部屋に閉じこもっちゃいますが、
これは貴一君のナイスケアによって回復。 ここの会話は好きだ。
割と傍若無人と言うか、兄に対しては容赦の無い言葉が出てくるようでいて、
内面かなり繊細と言うか、そういう感じの娘です。
実はお兄ちゃん大好きっ子。 ある意味ツンデレ属?

・紺来かや(こんらい・かや)
紺来家の長姉にして、現在の紺来家当主。
割と系統の名前はメジャーな「死霊術師(ネクロマンサー)」で、当代一とも言われるほど。
単語をぶつ切りに、接続詞を使わない喋り方が特徴。
読点を使わず、句点のみで攻勢されるその喋り方は一種ロボっぽい。
外見に恐らくコンプレックスあり。
黒ストも眩しいかや姉さんは今のところ最強です。
本編(今後出る分も含めた”本編全体”)、最後の最後でED分岐する可能性があるなら
是非ともかや姉さんのEDは欲しいね。 そりゃもう幸せなのを。
何気に貴一君好き好き大好き状態なのが嬉しいです、姉さん。
アラディア先生と張り合うのがなんというか、いいね!(ぇ

・アラディア
始まりの魔女とも呼ばれている人物で、恐らくは魔術関連では結構な大人物。
色々と謎があるようですが、その辺はまた追々明かされていくのかと思われます。
貴一の師として、彼に錬電術を教える役割を担う……のですが。
基本的に性格はつかみ所がなく、ぼややん系。 やたらと疑問系な喋りをする。
意外とお茶目な面もあって、と言うかお茶目な面の方が多くて、
緊張感みなぎるシーンを腹の音一つで台無しにしてみたり、
貴一に「先生」と呼ばれたのが激しくツボったのか何度も呼び直しをさせたり、
かやとは貴一を巡って激しい殺気をぶつけ合ったりもしている。 ショタ趣味ですか先生。

・フジマル、ドバシ、ミヤモト
かや姉さんの三つの僕(フジマルは違うっぽいが)。
ドバシさん活躍しすぎですよ。 決戦におけるキーパーソン(骨だけど)ですよ。
紺来の屋敷を守護しているという設定の彼らが、
今後どういう感じで関わってくれるのかなーと思うとちょっと楽しみ。
フジマルは……えーっと、我々の見ている姿が「本来の姿」でいいのかな?
魔術偽装を施された状態のフジマルは、とても可愛らしいコーギーらしい。
……この姿も可愛いと思うんだけどなぁ。
ドバシさんとミヤモトさんは喋れないけど、意思の伝達は出来るようで、
ボディランゲージというか、あとは周囲がニュアンスで察すると言うか、
そんな感じっぽいですな。 なんにしろいいキャラたちです。
……ゾンビやスケルトンって、こんな気のいい連中なのか(w


●シナリオの中味のあれこれ
アラディア先生のあまりのマイペースっぷりに振り回されます。
なんというか、余裕あるように見えて実際はなんかおかしなところで焦ってみたりとか、
ギャップ萌えとでも言うのかね、こういうのは。

体験版にもあった展開から、錬電術の基礎的な講座があったり、
その次に為すべき事として、貴一の「術具」になる存在を作る、と言う流れだったり、
それの鍵を握るらしい錬金術師「陶耶隆久」の話とか、
この辺りは割と心に留めつつ読んでいくほうがよさそうな感じ。
終盤まで引っ張りそうなネタがいくつも散見されて……
というか、ここでまず先生の現在のあり方について疑問を抱けたなら上々。
生体を綾取れないのに、何故ネットワーク越しに肉体を構成して現出できたのか。
この部分に対する回答は後述されますが(あくまで概念的にですが)、
端的に言うなら「先生」としての存在は「魂のみ」であるのかな、と。

えろいシーンへの分岐は地下書庫前。
明らかに「キャラ分岐ですよー」と解る選択肢が出現。
まあ、前後の文脈から判断しても2つは確実に罠なんですけどね。
取り敢えずセーブをして各人の分を確認。

・かや姉さん
ロリコンは病気です(黒須太一談)
でも、かや姉さんは姉なのでオッケーです(ぇ
それにしてもかや姉さんは可愛いなぁ!
これの代償がゲームオーバーと言うのはちょっと可哀想だが。
個人的にはそのイベント後の立ち絵が気になって仕方がなかった。
具体的に言えば早く穿け(ぇ

・まな
貴一君の発想に驚いた。 いや、流石に私の中にはその発想は無いわ(w
まあなんだ、こういうのは他で見て耐性ついてたけど(ヒント:ぢたま某←それヒントって言わない)
というか、なんというか……まあ、なんだ、あれだ、無理すんな(ぇ
しかしエロいのはエロいので問題ないというか、ねぇ?
こっちの場合も、かや姉さんと同じような展開でゲームオーバー。
……何気にここのゲームオーバーは展開キツいんだけど(w

・アラディア先生
この人に関しては、正解ルートなのでここの選択でエロはありません。
終盤のとある分岐までエロ分岐は持ち越しです(ぇ
というかなんだ、あれだ。 この人だけエロシーンがハッピーエンド直行フラグで吹いた。
上記の二人が可哀想過ぎる。 次章以降での救済があるといいね!(ぇ
この作品、本筋はエロ無しで進行するので
エロ=物語終了フラグなのね。 ちぃ覚えた。

さておき、”紺来”についての話はなかなか唸らされるものがありました。
先生が「檻している」という表現を使ったのもうなずける。
”紺来”の中での対話で明かされた「かやはこちらには来ていない」というのも、
貴一君は覚えていないけれど、我々を安堵させる材料な訳ですし。
(つまりキャラ紹介の「既に”紺来”に喰われているとの噂あり」は間違ってるってこと)
あと、最後に父が言いかけた言葉ですが、それが解ったのは終盤。
陶耶との対峙で明らかになる訳ですが……それはもう少し置いておく。
ここでもう一つ注目すべきなのが、対話終了後の貴一が行った(”紺来”が行わせた?)
「save」のコマンド。
最後に「save_complete」と出るってことは、その前にセーブを行ってたって事で、
その前の会話の時に出てたタイプ音、これがコマンドだったのかな、と。
これは複線になるだろうなーと覚えていたら、予想通りというかきっちり消化されて。
というか「貴一の”紺来”への接触」というファクターを、終盤の一手に持ってきたのがすげぇ!と。
記憶を消していたこともですが、手段が。 というか「何をセーブしたのか」が。
……特殊なもんだなぁとは思ってたけど、まさかそう来るとは。

紺来が檻している物の正体についての会話は……なんと言うか、スケールがでかい。
命碑の後家についてのあれやこれやは伏せますが、
なんと言うか、イメージとしては絡新婦なんですよね。
女郎蜘蛛……それも頭の部分が人間っぽくなってるとかそういう。

陶耶の一連の行動とかは何だ、ほんと解り易い「悪役」……というより、
「魔術師としての在り様を悪い方向に突き詰めた」感じ。
自らの研究と実践、それによる効果が最優先で、他の全ての事はそのための「材料」という。
だから卑怯だと感じる手段も使うし、外道にも見える。
しかし彼の観点からすればそれは全て正当な理由な訳で。
この辺が魔術師としての在り様の深い部分というかなんと言うか。

この辺の決戦部分についてはちょっとはぐらかしますが、
最後、貴一の「門」と「真名の意味」について。
貴一の門がああいう形を取っていたって言うことは、すなわち
紺来前当主……貴一の両親が何らかの理由を以って「取引」を行ったのか、
それとも陶耶が強制的な「取引」によって「門」を持ち去ったのか。
どちらにしろ、彼の門は無かった訳ではなく「奪われていた」訳で。
……仮にこの取引がなければ。
貴一は生まれながらにして普通に「門」を持ち、魔術も行使できていた、と言うことですかね。
そうなると、貴一の性格とかその他諸々もきっと変わってたんだろうなぁ。
あと、「真名の意味」が不完全だった理由は、恐らくはごく簡単なことで、
貴一が双子で生まれてきていたからですね。 自分の対になる存在というか、半身が別にある。
つまり双子である「りんねの真名の意味」も用いないと駄目という。
……今後、陶耶に限らず「命碑の後家」を手中に納めようとする輩がそれに気付いたら。
間違いなくこの双子は狙われるよね……うーむむむむ。


色々とまとめ(まとまってないけど)
今後にさまざまな謎を残しつつ、2章への引きはなかなかに上々。
というか「ちょ、そこで切るか」とか素で呟いたよ私。
話の続きが気になりますね。
2章タイトルは「infinite_routine」……無限ルーチン?
なんにせよ、新キャラも出るようなので楽しみにしていきたいところ。
新規分で確認できるのは公式トップのくろえ姉、ボイス募集ページのサークルカットに
くろえ姉とりんねちゃん、新キャラのローズマリーのビジュアルがあるのかな。
ローズマリーがいかにもツンデレ気質っぽいツインテールなのでちょっと反応。
製作日誌には「第一章では登場していなかった、しかし“ものすごく間接的に触れられてはいる”」
と表記されていたので、予想としては「アラディア先生の人形」という方向で一つ。
ほら、先生のラップトップを紺来家に配達した子の話があったじゃないですか。
かや姉さんも驚いていたその会話が、どうにも引っかかっているので。
話は変わりますが……何気に自分内部のりんねちゃんのビジュアルが
「女装してる貴一」になっていたのですが、これは大分修正された感じ。
いや、ほら、貴一って割とそういうのさせられそうじゃないですか。 主にアラディア先生に。
そして先生大興奮。 最初は難色を示していたかや姉さんも何故か黙り込む始末。
なんかもうキャラがそっち方向で固まりそうです。
……あと、アイリッシュ・パッチワーカーが「少女の声」だったので、
そのうち出てきてくれると嬉しいな、とか思わないでも無いです(ぇ
あと、貴一の「門」ことゲートウェイが、門になる前の姿が
無垢な幼女の姿だったということに奇妙に興奮してしまう私はもう駄目かもしれない。
最後の、門に還ってくシーン好きなんだよなー。

そんなわけで。
第二章も楽しみにしていきたいと思う次第ですよ。
……いや、それにしても体験版の状態から予想してた総量より
かなり多かったなぁ。 凄い詰め込んであるのが解る。
この分だと、第二章以降もボリューム面では充分以上の
コストパフォーマンスになるのではなかろうか。


●錬電術について
錬電術については色々解説があったんだけど、
個人的に理解できた(解釈違ってるかもだが)ことを列挙。
・錬電術とは「物質をデータに置換することで、その在り様を変える魔術」
・分解/再構成ではなく文字通り「存在を変える」事。 中途のプロセスは無い。
・扱えるものの制限。 魂のある生命(生体)への錬電術行使は不可。
・生命と魂、どちらか片方のみならば可。 要は生命と魂が融合してしまうと解析不能。
・対象物の制限。 無機物と魔術物質は相互変換不可。
・新たな要素(魔術付与等)が加わると「解析軸が一つ増える」
・錬電術には「扱える解析軸の本数」に上限があり、それを超えての解析は出来ない
・質量の制限。 錬電術における「変換」は、質量の変化を行えない。
・つまり「ガラクタを同量の金に変える」ことは出来ても「一滴の水をコップ一杯に増やす」ことは出来ない。
・基本的には物質を「六芒軸下で認識」することで構造を解析・把握し、
 それを「変換する対象物の構造と比較」し、「因果の繋がりを見付けて作用させる(作中言語で「綾取る」)」事。
・術具である「ラップトップ」および「ゲートウェイ」に入力するコマンドは、特に拘らない。
・要は「自分のしたいこと」を表明すればいいので、ローマ字英語でも問題ないらしい。
・つまりはコマンドという割にはひどくアバウトかつフレキシブル。
・ただ、特定の命令を行おうとする際はその条件付けも行う。
・その際に「言語の短縮」が行える場合がある。 要はコマンドの効率化。




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